2015年12月30日水曜日

【映画】2015年トップ10

今年は過去の大作の続編やスパイ映画ラッシュ、SFのAIベース映画ラッシュなど豊作だったといえる。昨年もブダペストホテルやガーディアンズオブギャラクシーなど、印象に残る映画が多かったが、一昨年の悪の法則のような劇場に4度も足を運ぶほどの作品はなかった。

では10位より。


第10位 インヒアレントヴァイス


俺がランキング入れなきゃいけないみたいな半ば使命感を感じながらもランクイン。
映画果樹可能といわれたトマスピチョンの傑作を見事映像化することに成功した本作(原作を読んでいないとわからないというのは成功したといえるのか微妙なところ)。Inherent Vice=”内在する欠陥”という扱いにくいテーマを、マクロとミクロの視点で捉えながらアートテイストに描写した腕はなかなかなもの。結論を急ぐ人には耐え難いフラストレーションが喉に残るけど、それが飲み込める人には楽しめるってワケよ、ドック。
とりあえず60’sカリフォルニアアンティークを基本としたギミックが最高です。

第9位 ビーストオブノーネーション


最近の個人的な傾向なのかわからないがアフリカ物に弱い。特に少年兵とかリアルなやつ。となると否応なしに入ってくるよね。本作はネットフリックスと一部劇場のみで公開された新しい試みで話題になった。結果的には成功し監督はキャリアが浅いのにもかかわらず瞬く間に有名人に。
見所はといえば主人公の少年兵のあどけない少年の顔から殺人鬼の顔、そしてすべてを悟った菩薩のような顔。将来有望です。

第8位 セッション

これはまあ、みんな好きだよね。
Fucking Chimpo!!


第7位 チャッピー


南アフリカものとSFが融合したもんだからこんな上位に来てしまいました。
人間の神経をデータ化して転送するってのが甲殻機動隊のゴーストのそれでありたまらなかったですね。ダイアントワードの演技も素人とは思えないもので完成度は非常に高かったです。


第6位 イミテーションゲーム



カンバーバッチのことはあまり好きではないけどアスペルガーをうまく演じれていたし何よりストーリーの構成が非常によかった。最後のテロップで完全にやられたね。教養の時間にしてはあまりに面白い作品。

第5位 パージアナーキー



俺が入れなきゃ誰が入れるシリーズ。こういうB級なんだけど俺だったら~とか妄想が膨らんで友達と話しこめるような作品は評価高いです。前作パージがテーマがいいにもかかわらず予算の都合で生かしきれてなかったものを本作で爆発できていた感じがとてもグレイト。ちなみに私だったらホームセンターに立てこもってガソリン飲んで火つけて死にます。

第4位 ストレイトアウタコンプトン



N.W.Aを愛しているからかかわからないが冒頭から鳥肌が収まらずとんでもないものを見ていると感じた。知らない人にも楽しめるのかはわからないが、少なくとも世界ではこういった大きなものが渦巻いていることを知るにはいい映画かと。
Fuck THA POLICE!!

第3位 クリード


いいシーンがこれだけ詰まっている映画もなかなかない。名台詞も多いしカタルシスが半端じゃない。とりあえずダイエットがしたいならまずクリードを見てからはじめることをお勧めする。おそらく体脂肪率は一桁に。

第2位 ナイトクローラー

エキセントリックな役はこれまで数々見てきたがこれほどまで温度を感じられないキャラクターはおそらく初めてだろう。それを社会が作り出してるというのも面白い。カメラワークも大きな見所のひとつ。

第1位 マッドマックス
V8V8V8!!!!!(IQ5)


以上トップ10でした。非常に偏りのあるものですが、来年もオデッセイやレジェンド、ブラックマスや白鯨など気になる作品がてんこ盛りなので今から首を洗って長くして待ってるとします。
ちなみにスターウォーズは三国無双でいう呂布なのでランキングからはずしました。

2015年12月27日日曜日

【映画】ディーン、君がいた瞬間



ジェームスディーンの、輝いて燃え尽きるろうそくの最後のような瞬間を切り取った本作。
結論から言うとあまり面白くない。面白くないというか冗長で退屈に感じてしまう
描きたい意図は何となくわかる。時代の荒波に逆行して、穏やかに自分のライフスタイルと原点に向き合うジェームスディーン――それは『ライ麦畑でつかまえて』で描かれた2度と戻らない青春の思い出のような、あるいはジョンスタインベックの『チャーリーとの旅』のようなローカルの味わい深さを感じる喜びであるとか、フロンティアスピリットで西へと急ぐアメリカ人の開拓精神に疲れ地元に回帰する―誰しもが心の底にあるhomeを想う気持ち、そういったものは常にあるべきだ、そうしないと何が起こるか分からないからねと言い残し、若くして世を去ったジェームスディーンの魂を描いているのだと。
映画を見ていてたまらなく懐かしい気持ちにはなる。
かく言う私もオハイオに幾度となく行き、果てしなく続くトウモロコシ畑と、だだっ広い大地で何を考えているのかよく分からない牛や鶏に囲われて、何にも追われずにゆるやかな時間を過ごした。
あの時間を無駄だと感じたことはない。生産性こそ微塵もないが、今のイマジネーションとインスピレーションの原点はあそこにあると言っても良い。少なくともエッセンスはあそこに必ずある。

けたたましい都会に追われる事を宿命と考えディーンの誘いを断り都会に生きることを決めたデニスと、周りに制約され自分をがんじがらめにされるのが嫌でたまらず自分らしくあることをチョイスしたディーン

伝記物のため結論は出ないが、そのせいか結局なんだったの?と思ってしまう。
しかしそれこそこの映画の思うつぼだろう。
私たちはいつも結論を求め、忙しくなくても早歩きで道を急ぎ、情報過多の現代で毎日膨大な情報を取り込んでは捨て去っている。緩やかな時間を体中で味わうことを忘れてしまっている、もしくはその選択肢はすでに捨て去ってしまっているのだろう。
今一度ジェームスディーンの生きかたを思い返してみるのも、いいかもしれない。
PS
しかしまあタバコを吸うシーンの多いことよ。
時代のせいもあるが、これだけ映画に映すのは何らかの意味があるかもしれない(少なくともちょっと前までは害があるからという理由で大幅にカットされてきた)。