2013年9月1日日曜日

【映画】マンオブスティール

 




ザックスナイダー監督クリストファーノーラン製作デヴィッドゴイヤー脚本ときたら観ないわけにはいかない。同時に期待しすぎる部分もあったので結果的に満足度は50/50。

ザックスナイダーといえば300、ウォッチメンなど、斬新な映像革命とやり過ぎなくらいド派手な映像効果で子供心を捨てきれない我々の欲求を満たしてくれるが、同時にセーラー服の金髪美女が暴れるだけのくそつまんねー映画にもなりかねない危険があったが、そこは天下のノーランがカヴァーしてくれたようだ。ダークナイトシリーズの脚本を担当したゴイヤーがついた割にはストーリーは割とシンプルかつ王道で、ダークナイトシリーズのようなヒーローの苦悩や善悪の概念みたいな深いアメコミ道徳教室は一切開かれなかった。希望!愛!善!みたいな単細胞感であったが、バカっぽさはない。軸として善は善でもそこに導く手段としてどんなチョイスをするか、がテーマになっていると考える。おそらく苦悩に満ち溢れるヒーローを再びやるのはDCコミックスのイメージが陰湿になってしまうことを考え避けたのだろう。


まず良かった点。とにかくスピード感と爽快感がいまだかつてない。戦闘シーンなんかは瞬きをする頃には地面にたたきつけられていたり、一瞬にして100メートルくらい吹っ飛ばされていたり、気を抜けない。空を飛ぶ描写なんかは誰しもが夢見た、自分の身体で空を飛んでみたいという欲求を満たしてくれる。おそらくこれ以上のスピード感が感じ取れる映画は前にも後にもないだろう。なぜならこれ以上早くすると肉眼で観れない。
またファイトシーンの激しさはザックスナイダーの得意分野である派手な見せ方で非常に興奮する。ビルに叩きつけてビルごと倒したり、地面が盛り上がるほどに叩きつけたり、超人×超人らしい戦いっぷりかつCGらしさがあまりなく違和感なく楽しめた。めずらしくハンスジマーの戦闘シーンでの曲の盛り上がらせようも〇。
それと無駄に建物を崩壊させるシーンの多さ。マイケルベイが無駄に建物を破壊することで有名なことからメイヘムをもじってベイヘムというが、アルティメット・ベイヘムと称していいほどビルが壊れ街が崩壊する。アメリカは自分の国が破壊される描写がお好き。カンザスシティで戦うシーンで、これでもかっていうほどセブンイレブンがぐっちゃぐちゃにされるのだが、おそらくあれはザックスナイダーがセブンイレブンに個人的な恨みがあるのだろう
最後に名優たちの演技。個人的にケビンコスナーの演技に感動した。得体のしれない息子を自分の息子として清く正しく育てる父なのだが、一番かっこいい父親像かもしれない。また本当の父であるラッセルクロウも感情のこもった演技をしており親の愛を感じ取れる名演であった。


逆に悪かった点。早い&CG&激しいで眼がむちゃくちゃ疲れる。気を抜けなさすぎで終わってから放心状態に。3Dなんかはおそらく知恵熱が出るだろう(いそがしすぎて)。またちょいちょいズームするカットがあり、多用しすぎじゃないかと感じ興ざめ。リアリティを出そうとしたのだろうが、クローバーフィールドを思わせるためマイナス。
あとはストーリーがもうひとひねりあってほしかった点。現状では敵はチョイ強いけど頑張れば勝てるスーパーマンでしかなかったのでずっと俺のターン感が少しあり。すんなり事が進むのではなくターニングポイントのようなものが必要だと感じた。人類を救う明確な理由がいまいちない。
あとはもう声高らかに言いたいのがゼッド将軍の髪型。なんだあのワックス覚えたての中学生みたいな束感。ローマ人か。それが気になって仕方がなかった。正直横にいた軍曹みたいな女性が将軍で良かった気もする。





アメコミ作家のほとんどはユダヤ系である。『いかにしてユダヤの歴史と文化がコミックブックを作ったか』という著作が出るほど圧倒的多数がユダヤ系であり、今作のベースであるスーパーマンの作者ジェリーシーゲルおよびジョエルシャスターも東欧出身のユダヤ系だ。そのためストーリーをひも解くと、そこにはただのアメリカ愛国者がお国の為に戦うだけの話じゃないということが分かる。
スーパーマンの本名はカルエル。父の名はジョーエル。ちなみにカルエルとはヘブライ語で"力"、"神"を表す。故郷は銀河の果てにある惑星クリプトン。そこは資源の採掘をしまくりもはや惑星が保っていられる状況ではなくなっていた。そのためカルエルの父は生まれた子供を遠く離れた地球に送る。その際にクリプトンの10万人のデータや記録であるコーデックスをカルエルの遺伝子に溶け込ませる。このコーデックスが後に重要なものとなる。惑星クリプトンは爆発して消滅しカルエルは宇宙の孤児となる。これはユダヤ人が戦争で祖国を失い世界に離散した事実を反映している。カルエルはアメリカの田舎町カンザスで拾われクラークケントという名前で地球人として生きる。旧約聖書に出てくるモーゼも同じように籠に乗せられナイル川を下りエジプトの王女に拾われ後にモーゼの十戒として知られる。またクラークケントという白人的な名前を名乗るのも、ユダヤ系は差別を避けるために偽名を使っていた事実を反映している。ではなぜユダヤ系なのに星条旗を背負って戦うのか?それは遠く離れた星から来た自分をかくまい、チャンスをくれた自由の国アメリカを守るため。いわゆるユダヤ系が60年代移民としてカリフォルニアに移り住み成功を収めてきたように時に右翼的なほどに愛国的な部分を象徴している。
 
 

クリストファーノーランてことで笑える要素は皆無といってもいいのだが唯一笑えたのがカルエルを少年時代いじめてた太っちょが後にIHOPで働いているところ。IHOPとはアメリカの内部(田舎)に多くある簡単なレストランで日本でいうすき屋的なポジションか。所謂田舎の仕事の末路みたいなのを風刺している。WALMARTだと直接的すぎるし訴えられるから避けたんだろうがWALMARTに宇宙船ごと突っ込んでほしかった。
 
マンオブスティール、和訳すると鉄の男。あれ、マーベルがこないだやった映画とキャラかぶってね?そういえばバットマンVSスーパーマンの製作が決まったが。宇宙船を拳で破壊するスーパーマンと脊中にひざ蹴り食らって半年くらい動けない状態だったバットマン、どちらが勝つのか!勝敗はいかに!

2013年8月22日木曜日

【映画】パシフィックリム

180億円という大金を特撮好きなオタクに渡して映画を作るとどうなるか?
パンズラビリンスやヘルボーイを手掛けたキャラメイクには定評あるギレルモデルトロ監督。彼は小さい頃からゴジラやウルトラマンなど特撮映画を見て育ったオタクで、今現在も浦沢直樹のモンスターのドラマ化も決まっている。とにかく漫画や特撮が好きで来日した際には中野ブロードウェイでフィギュアを買いあさったりお台場で等身大ガンダムを見て絶句するなど金がある外人の出来るオタク。そんなデルトロのやりたいことをとことんやってのけた特撮愛に満ちた作品がパシフィックリムだ。


あらすじ
2013年、突然未知の巨大生命体が太平洋の深海から現われる。それは世界各国の都市を次々と破壊して回り、瞬く間に人類は破滅寸前へと追い込まれてしまう。人類は一致団結して科学や軍事のテクノロジーを結集し、生命体に対抗可能な人型巨大兵器イェーガーの開発に成功する。パイロットとして選ばれた精鋭たちはイェーガーに乗り込んで生命体に立ち向かっていくが、その底知れぬパワーに苦戦を強いられていく。

とまあ内容はそんなに深いものではない。社会風刺もメッセージもないがそれがどうしたと言った感じ。そんなことは問題ではない。
まず相変わらずのキャラデザ。デルトロといえばパンズの死神だったり、ヘルボーイの巨人などわくわくするような斬新なデザインのキャラクターが多いが今回も期待を裏切らない。相当なオタクということもあってか映画内ではマジンガーZの頭部の合体シーンであったり怪獣もガメラやウルトラマンの敵を意識したような作りなど日本を意識しながらもオリジナリティあふれるキャラがたくさん。
キャラクターだけでなく景観にもかなり凝っており、香港のスラムな町並みや闇市などは一時停止してじっくり見たくなるほど。またシドニーやフロリダ、東京など各国の都市が崩壊していくショットは廃墟マニアにはたまらない。
次にロボット。ロボットを操るのは二人ひと組でシンクロし人が歩けばロボットも歩くというエヴァ的な要素。そのため各国のパイロットは親子や兄弟、恋人など信頼し合ったパートナーとイェーガーを操る。各国それぞれに特徴があり中国は三本腕で拳法を使った身軽な動きだったり、ロシアは旧式で重いがパワフルな技を繰り出していたりとわくわくが最後まで収まらない。



最後に俳優。あまり有名ではないが個性豊かな面々がそろっている。日本からは天下の名優芦田真菜ちゃんと菊池凛子。真菜ちゃんはハリウッドデビューらしい。へー。ヘルボーイでメイクいらないんじゃないくらいの強烈なつのだ☆ひろ顔のロンパールマン。JJエイブラムスにしか見えないチャーリーデイ。ダークナイトライジングでガニ股で氷河に落っこちた秘書役のバーンゴーマン。サンシャインクリーニングで清掃用具屋の兄ちゃんやってたクリフトンコリンズJr。とまあよく知らないけど見たら一発で覚える系の濃い俳優が勢ぞろい。下手にシュワちゃんとかじゃなくてホントよかった。
ロンパールマンの闇市で怪獣を売りさばいてる役が一番お気に入り。やらしい金の皮靴をはき、金歯をちらつかせナイフ捌きがたくみ。赤ちゃん怪獣に食われるが......

 私は小さい頃からあまり特撮を見てこなかったしガンダムやエヴァなどのロボット系も全然触れずに大人になった。おまけにジブリもトトロとこないだ始めてみたナウシカの二本という非国民。そんな人間でも今作は大いに楽しめたし二度劇場で見てしまうほどだから見てない人間に対してはなんでみてないの?と疑問の念しかない。でかいスクリーンで見れる今のうちに見ることをお勧めする。
どうやら日本中でも興奮してる方がわんさかいるようでこんなゴジラ風の予告を作る人まで現れました。http://youtu.be/y3Qygyy4204
本田猪四郎のゴジラの予告がこちら。
ちなみにパシフィックリムの最後に本田猪四郎に捧ぐというメッセージが。泣ける。


実際萌&健太ビデオって看板が気になって芦田真菜の演技は全然見てない。


【映画】ワールドウォーZ


ジョージロメロがナイトオブザリビングデッドを製作し世に出した時、世界はまだゾンビというもののパワーに気づかないでいた。その後ドーンオブザデッドが爆発的なヒットを記録し、世界は一瞬にしてその魅力に感染。日本でも邦題ゾンビとして流行。今から30年ほど前の話だ。その甲斐あってかゾンビのイメージはいい意味でも悪い意味でも定着した。グロテスクで動きがとろいが、数の暴力で襲いかかる恐ろしいクリーチャーだと。イメージが定着したことで一般的な思考を持っている人間ならばゾンビと聞いた瞬間見るのを避け、見もせずにB級と決めつけるようになった。だからだろうか。今作ワールドウォーZのPRにおいてゾンビという言葉は一度も聞かない。CMでもよくわからない何かが襲いかかってくるだけでゾンビなのかどうかはわからない。なんも知らない人からしたらブラピの新作はジャッキーコーガンが世界を救うのカナ?くらいにしか分からないほど情報量が少ない。そのためレビューはふたを開けたらこれゾンビ映画ジャン!!カネカエセ!で湧きあがった。実際劇場にもホントに内容を分かって見に来てるのかわからないおばあちゃんとか、ドラゴンボールZの延長かな?みたいな大学生、ブラピ主演なら間違いないでしょみたいなギャルに、なんだかすごそうだからくらいのJKが多々見られた。
確かにブラピ主演で金もかかっててなんだかすごそうな映画を見た感は否めない。実際すごかったし。


内容。
ベストセラーを記録した、マックス・ブルックスの小説を実写化したパニック大作。人間を凶暴化させる未知のウイルスの感染原因を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる世界各地を駆ける元国連捜査官の姿を、息詰まるタッチで活写する。
元国連捜査官のジェリー(ブラッド・ピット)は家族とパンケーキを焼いて連想ゲームをするだけの平和な毎日を送っていた。世界のどこかではウイルスによる何かで戒厳令が出ているとニュースで知るが他人事で毎日を過ごしていた。
ある日渋滞にはまっていると前方から爆発音が。そして間髪いれずにゴミ清掃カーが渋滞をまき散らし人が人を食う光景を目の当たりにする。町中がパニックになるなかなんとか逃げ延び空母に搬送される。そこで人間を凶暴化させる未知のウイルスが猛スピードかつ世界的規模で感染拡大しているのを知る。そんな中、元国連職員の技能と知識を買われたジェリーは、各国を回ってウイルスの感染原因を突き止めるよう依頼される。
感染源を突き止めるべく最初に行ったのが韓国。ゾンビという電報を最後に連絡が途絶えていたため調査に行くが希望の星と言われていたハーバード大卒の青年がスリップしてナチュラルに自殺。大バカ者である。しかたなくブラピのみで捜索するがそこでイスラエルに情報源がいると聞く。
 
イスラエルでは早くからゾンビの襲来を察知しており高い堤防を築いていた。しかしちょっとした油断で堤防を越えられてしまう。
ここが最も見どころのアリの大群がごとくゾンビが群れて壁を登るゾンビだ。

これを見るために1800円払ったと言ってもいいくらいこの映画の見どころ。イスラエルの巨大な壁を運動会がごとく這いあがり連携プレーで町を陥落させていく。まるでバベル。ジョージロメロがドーンで体現させたかった大量生産&大量消費主義ゾンビがまさにこれだろう。砂埃を上げて狂ったように組み体操しながら壁を超える姿はこれまでになかった。
その後イスラエルから旅客機で逃げるのだが、まさかの機内にゾンビが隠れてたおかげでパニックに。乗客が次々に感染していき諦めかけた時、ブラピが機内でグレネードを投げたおかげで外へ吸い込まれてくゾンビと乗客。もうこの時点でむちゃくちゃだがブラピはシートベルトをしていたので墜落したものの助かる。御巣鷹山では160人がぐちゃぐちゃになったというのに!ブラピが実はゾンビなんじゃねえのか?
イスラエルでゾンビのワクチンを思いついたブラピは怪我を負いながらもなんとかWHOに駆け込み対処法を提案する。それはゾンビウイルスが入る以前に別の強力なウイルスが体にあればそれが抗体の役割を担うというもの。おたふく風邪だからインフルになりませ~んみたいなものか。しかし強力なウイルスはゾンビがわんさかいる別棟にある...どうするブラピ!世界は救えるのか!?家族に再び会うことはできるのか?!ゾンビに人類は屈することとなるのか....つづく


ちなみにホントに続編あるらしい。危険な匂いしかしないが。タイトルはworld war2Zで。歴史ドキュメンタリーみたいだね。神風ゾンビとか出てこないことを祈る。
序盤から中盤までテンポがかなりいい。あっという間に世界中に感染してパニックになってく様子がリアルに描かれており、実際今の世界で起きたらホントにこんな感じだろう。発症源が台湾の病気だったり温暖化によるものであったり定かになっていない部分も非常にいい。昨年あったアメリカの黒人がホームレスの顔を食った事件もちゃんと使われていた。ゾンビ映画では定番の自分で工作して武器を作ったり防具を作る描写もありLast of usを連想。走りまくるゾンビも『28日後...』風だしゾンビ映画はある意味で行くとこまで行ったのかもしれない。

あとはCGのクオリティがすばらしい。ここで製作の段階のムービーが観れるがここもCGなのかよ!ってくらい細部まで作りこまれていて技術の進歩を感じ取れる。http://youtu.be/NTr0k6-8_Fw
私はCGの技術に関しては全く分からないしPS3で遊び倒してるくらいで作り方は分からないが相当大変らしい。人物のスキンからモーション質感などむちゃくちゃ細かいうえにバグがあるととんでもないことになるという悪夢。

総合的に見て自分はすごい楽しめた。ゾンビ映画に必要な要素をちょっとづつかじりながらもレートを下げて多くの人に見てもらおうという監督の意図も見れたし。バイオハザードなんかが好きな人からちょっと怖めのアクション(ブレイドとかアンダーワールド)好きな人はガンガンお勧めする。刺激がほしい人にはたまらないはず。ただゾンビ映画に必ずある現代社会への批判みたいなものは一切感じ取れなかった。ただわけがわからないパニックに巻き込まれながらも運よく状況を切り抜け結果僕らは戦い続けますみたいな。実際ストーリーはシンプル。頭すっからかんで見れる。ただ突っ込みどころは多々あるからそこはスルーで。

2013年8月19日月曜日

【雑記】 SEKAI  NO OWARI

残念ながら中高生に人気のJpopグループのレビューをするわけではない。
突然だが世界の終りを想像したことはあるだろうか。
隕石でも宇宙人でもパンデミックでもいい。突然人間の数が激減していわば世紀末状態になった時どうやって生き延びるか。そんな妄想を私はよくする。映画やゲームでもそういったシチュエーションを取り上げたものは数多く存在し、大ヒットを記録している。そんなフィルムやソフトを一部紹介したいと思う。

・【映画】ザ・ロード
ヴィゴモーテンセン主演の世紀末映画。核戦争が起きてしまい、世界は少数の人間しか残らず、朽ち果て続けるフィールドをさまよい南を目指しもがきながら生き延びる親子の話。全体を通して重々しい空気が漂いとてもリアルで、実際に世紀末になったらこうなるのだろうなというシーンが多くある。例えば食料が尽きた世界ではもはや食べる対象は人間にシフトし、パワーを持たない人間は日々恐れながら暮らす。パワーを持った人間はコミュニティーを形成しパワーを強める。抑圧するものがない以上最も恐るべき存在だ。あるいは信じる心を失ってしまうところ。世紀末下においてもはや親族ですら信じることができなくなり、疑心暗鬼になり世界はますます荒んでいく。そんな心情やグレー一色な世界が実際に世界に終りが来たらどうなるかということを教えてくれる恐ろしい映画。ただ、途中親子が秘密の倉庫を見つけそこにはカン詰めやら食料が山のようにあり、久々におなかを満たすシーンは重いシーンからの反動で至福の時を感じさせる好きなシーンでもある。


・【映画】ウォーカー
デンゼルワシントン、ゲイリーオールドマン、ミラキュニスという俺的豪華ラインナップな作品。文明が崩壊した後、男は本を西へ運べという言葉で歩き続ける。途中で訪れた街のドンは男が持っている本=聖書が統率力の持つ重要な書だとしてパワーで奪おうとする。しかし男には聖なる力により守られているため死ななくて本を無事西に持っていったとさ。この文だけで分かるようにアメリカ人大好きキリスト映画&開拓者スピリッツ映画。教訓みたいでイライラしますが世界観的にはすごい良い。最後ミラキュニスがモンスタービーツバイドクタードレをつけるシーンが印象的。


・【映画】トゥモローワールド
西暦2027年11月。人類は希望を失い、世界は恐慌状態におちいっていた。なぜか出産の能力が失われ、18年間にわたって全く子供が生まれず世界は絶望。反政府組織がテロを毎日のように行う中反政府組織のリーダーである妻にある人物を護送するように頼まれる。それは子供を身ごもった黒人の女の子だった。という話。世界観的にはあまり世紀末ではないけどシヴィルウォー中の街なんかはプライベートライアンのくつした爆弾を思い出させる世紀末具合。カメラワークが非常に巧みで当事者だと錯覚させスリルを味わえる。


・【ゲーム】ラストオブアス
こちらは2013年頭に発売して以来アメリカでメガヒットを記録し世界中で話題となっているPS3およびXBOXのソフト。ストーリーは簡単に言うと、凶暴化するキノコの菌が蔓延して世界が混沌に包まれてる中唯一感染しない抗体を持った女の子が現れ主人公がワクチンを作ってもらうために遠くの病院まで引率するという話。これだけ聞くとお荷物運搬ゲーみたいだがさすがはノーティドッグ(アンチャーテッドの製作グループ)。非常に細かい部分にまで作りこまれており、少女エリーのAIだけでなく敵のAIもかなり複雑にプログラムされている。いわば今までは同じところをぐるぐる回るか敵を見つけたらただ追いかけるだけだったAIがあちこちを探しまわったり隠れたりと本物の人間のような動きをするのだ。また世紀末感もよ考えて作られており、弾薬はフィールドに少ししかなく食料もめったにない。そのためレンガを投げたり、自分で酒と布で火炎瓶を作ったりとギリギリのカツカツの生活を強いられる。難易度は非常に高いがその分リアルでゲームに引き込まれていく。廃墟と化したアメリカの町並みも必見。



・【ゲーム】フォールアウト
ザ世紀末。1997年にフォールアウトシリーズ第一作がリリースされ莫大なヒットを記録し今では3まで出ている(+NV)。フォールアウトとは放射正降下物を意味し、いわゆる核。町並みは基本的にぼろぼろで核のせいで近づくと放射能を浴びてしまう危険なところもあり。がれきの中からガラクタを集めて武器を作るのもよし、町の人間をホロコーストして支配してしまうのもよし、無難にストーリーを進めるのもよしとかなり自由なゲーム。ただやりこみ要素の多さとマップがだだっ広いせいか、フリーズがむちゃくちゃ多くPS3のハードディスクを破壊するゲームとしても有名。マッドマックスやソイレントグリーン、古くは半魚人などの映画からインスピレーションを受けている。

2013年7月21日日曜日

【映画】キングコーン





アメリカ人はコーンでできている

冒頭のシーンでの一コマ。髪の毛を分析してみるとなんと多くのコーンが含有されていた。でもそんなにコーンを最近食べた記憶はないし、、、ところがどっこいアメリカ人は無意識にコーンを毎日食べている。


とうもろこしの生産量を世界的に見ても43パーセントとダントツでアメリカが作ってる。何でかといえば国から援助金が出ているからなのだが、なぜそこまでしてコーンを作る?5階建てビルほどある高さの倉庫に並々とコーンが詰まっているほど作りすぎて飽和している状況なのになぜ多くの農家はコーン農家にシフトする?これにはアメリカの格差と肥満の問題が根底にあった。


アメリカの低所得者から中層階級にかけてポピュラーなフードでありアメリカの象徴ともいえるハンバーガー。もはや説明の必要はないだろうが、肉をパンで挟んだファストフードだ。日本には天下のマクドナルド、バーガーキング、ウェンディーズ、モス、フレッシュネスくらいしかないがアメリカには山のようにファーストフードショップがある。アビーズ、インアンドアウトバーガー、ホワイトキャッスルなど挙げていけば日が暮れる。しかも日本に比べサイズはでかいし基本的にドリンクは飲み放題だ。しかし肥満の原因は量ではない。
バーガーセットはコーンでできている。
太る理由はここにある。

コーンでできてる?どう考えたってコーンなんて入ってないだろ!と思うだろう。
無理もない。あの黄色いキュートなコーンではなく形を変えて含まれているからだ。

まずバーガーから。もっともポピュラーなバーガーはビーフであり、ビーフは基本的に牧草を食って育つ。しかし牧草を食う牛は育つまでに時間がかかる。もっとスピーディーに育つ方法はないか?として生み出されたのが閉じ込め手法でコーンを延々牛に食わす。するとどうだろう、牛は今までの倍早く育ち肉の値段はローコストに。こうしてバーガーの低下価格化が実現する。コーンのほとんどは家畜のえさ用として流れる。しかしさきほど言ったように牛は牧草を食う生き物であり、胃が穀物に対応してない。そのため胃酸が出過ぎて胃に穴が開く。これを防ぐために牛には大量の薬も投与する。薬漬の肉を食うわけ。穀物を食った牛の肉は高脂肪で太る原因となる。

次にドリンク。どう考えてもコーン入ってなさそうだが砂糖より安価なコーンシロップが入ってる。しかもめちゃくちゃ甘い。but発がん性物質が入ってる&太りやすい。こちらもローコストで手に入るためドリンクは飲み放題という夢のような結果に。

最後にフライドポテト。ポテトはもちろんイモだが揚げている油がコーンから作られるコーン油だ。


以上の理由からバーガーセットを食うことは同時にコーンを食うことになる。
コーンスターチ、コーンシロップ、コーン油、コーンプロテイン。形を変えたコーンはあらゆる部分に多用され、安価で食を豊かにする。安くて甘くて風味豊かでいいじゃない!そう思っていた時期が私にもありました。
しかし安いものにはそれなりの理由がある。
これらのコーンは栄養価が非常に低く代謝も悪い。高カロリーでガンにもなりやすくなる。
しかしアメリカはコーンを食わざるを得ない状況だ。
雇用は衰退し、保険はなく、病気になれない。それに富裕層が搾取しているためアメリカンドリームは遠い昔。食わざるを得なくて太らざるを得ないのだ。アメリカの肥満問題は貧困とリンクした国家問題だった。

そのうちアメリカに行ってファーストフードショップに入ったらセットを頼んで、いろんな思いを込めてバーガーをほおばってほしい。そこにはアメリカの味が詰まっている。

2013年7月15日月曜日

【映画】おいしいコーヒーの真実





我々は日々欠かさずコーヒーを飲んでいる。それは太古の昔から変わらぬことであり、コーヒーはある種の血であるといっても過言ではない。世界で消費されるコーヒーは一日に20億杯を超えそのニーズは年々増している。消費されるコーヒーのほとんどがエチオピアで生産されており、そこには破格の値段でネスレやイリーなどにコーヒーを買われ苦しむ農家の姿があった。

この映画は2006年に英米共同で製作されたドキュメンタリーである。
 エチオピアでのコーヒー生産農家の地位向上のために活動するタデッセ・メスケラに焦点を当て、世界経済・貿易の不均衡と搾取の実態をレポートしたもの。
全世界で1日20億杯飲まれるコーヒーは、石油に次ぐ取引規模を誇る[3]国際商品であるが、その莫大な市場規模に対してコーヒー農家に支払われる対価は低い状況が続いている。そんな中で1990年から2000年にかけて発生した国際市場相場の暴落は生産者の生活を崩壊させ、麻薬生産へ転向する生産者が出るような状況に陥っている。アフリカ・エチオピアでそうした状況を打破しようと生産者組合を組織して奮闘する活動家タデッセ・メスケラに密着し、コーヒー農家の過酷な生活実態と、取引相手となる先進国大企業の不公平な取引事情を描く(引用元wiki)

コーヒーの国際価格はニューヨークとロンドンの取引所で決まるのだが、その数字を元に業者は安く仕入れ農家は安い賃金が入ることになる。
エチオピアの女性は日給0.5ドルで休むことなく手を動かし働いている。コーヒーの価格が安くなればなるほどエチオピアの農家たちの暮らしは貧しくなり、ろくに教育も受けられないような状況が続いている。
電気もついてない部屋にすし詰めで集まる大人から子供が同じ内容の勉強をしている。過程によって収入はさまざまだからだ。
カットは変わり、シアトルにあるスターバックス一号店。シアトルの自信満々女二人組みがコーヒーを売ることに生きがいを感じているようなまぶしい笑顔を振りまく。まるでこーひーの産地に悲惨な状況が訪れていることを露も知らないかのような。
彼女たちが提供していたコーヒーはシダモ地域というところで作られている。そこではなんと飢餓が問題としてあり、ユニセフが栄養失調の子供たちに配給をしていた。


自分が日々飲んでいるコーヒー、それはコーヒーに限らず、食べているもの、飲んでいるものがどこで作られどんな問題があるのかを考えたことはあるだろうか?
我々が日々当たり前のように扱ってるものは多くの人間の手間と苦労があって、当たり前になっている。日本ではよくクレームが店に対して起こるが、平和ボケが生んだ産物だろう。それなりの対価を支払った店にはそれなりのサービスがあたえらるわけであり、高級品とジャンクを同じテーブルに載せることは具の骨頂であるだろう。マクドナルドであなたが頼んだバーガーに髪が入ったのならそれは150円の対価であるが故仕方ないのだ。6000円払って入ったフレンチのコースに髪が入っていたのならばそれはクレームをするべきだろう。
日本などまだましなほうだ。ファーストフードネイションという映画を見ればわかるが、ハンバーガーチェーンのバイト君がバーガーにつばを入れてそれを食うのを見て楽しむなんてシーンがある。フィクションではあるがそんなことが起こりうるほど安いものにはそれなりのサービスが提供される。
また店での瞬間だけでなく、例えばメキシコ移民が工場で屠殺する時に大腸菌が混入したり、あるいは大量生産されたとうもろこしから作られた発がん性の高いコーンスターチが使われていたり、一つ一つたどっていかないとそれがいったいどんなものなのかはわからない。目の前にあるタダのチーズバーガーは、実は大腸菌が入った、発がん性の高い、移民が作ったチーズバーガーなのかもしれない。
言いたいことは安いものにはそれなりのワケがあるということだ。

2013年7月14日日曜日

【映画】パンズラビリンス



公開当初多くの人がこの映画にテラビシアにかける橋的なファンタジー要素と何か幸せになれる不思議な映画だと思い込んで劇場に足を運んだことだろう。ところがパンドラの箱を開けてみれば中には戦争とメキシコ的生死表裏一体観、そしてグロテスクな描写がたんまりあることに思い知らされる。私自身ジャケットでこの映画の内容を大体こんなもんでしょ?と決めつけていた。
ギレルモデルトロ監督はそこまで甘くなかった。
米アカデミー撮影賞・美術賞・特殊メイキャップ賞、全米映画批評家協会賞の作品賞などさまざまなタイトルを獲得し各国で激賞された。ダークファンタジーと太鼓判を打っているがどう考えても戦争映画であるし、ネグレクトや幼児虐待といった現代社会の暗部にも通底するドス黒いメッセージ性をも含む。戦争としての面とファンタジーとしての面が同じ時系列で同時に進み、最終的に一つになるというストーリーの構造であるが、二つの住み分けがうまくなされており観ていて混同することなく楽しめる。

あらすじ
1944年のスペイン。内戦終結後もゲリラたちはフランコ将軍の圧政に反発していた。そのため、緑深い山奥でも血なまぐさい戦いが繰り広げられていた。おとぎ話が大好きな少女・オフェリア(イバナ・バケロ)は、臨月を迎えた母カルメン(アリアドナ・ヒル)と共に、その山奥にやってきた。駐屯地を指揮するフランコ軍のビダル大尉(セルジ・ロペス)と母が再婚したからだ。しかしビダル大尉は、ゲリラの疑いがあるというだけで農夫親子を惨殺するような残忍な男だった。ビダル大尉を恐れるオフェリア。一方、小間使いのメルセデス(マリベル・ベルドゥ)は実はゲリラ軍の協力者だった。大尉の元に潜り込んで、ゲリラ軍に情報を流していたのだ。そんなメルセデスと仲良くなるオフェリアだが、ある日、ひょんなきっかけから不思議な迷宮(ラビリンス)に迷い込んでしまう。そこには山羊の頭と体をしたパン(牧神)がいて、彼女に驚くべき事実を告げた。オフェリアは魔法の王国のプリンセス、モアナの生まれ変わりに違いないと言うのだ。そして満月の夜が来るまでに三つの試練に耐えられれば、両親の待つ魔法の王国に帰ることができると言う。その言葉を信じたオフェリアは三つの試練に立ち向かう決心をするのだった。こうして幻想の世界にのめり込んでいくオフェリアの周りでは、ついにゲリラ軍とフランコ軍の、血で血を洗うような戦いが始まる……。


スペイン内戦やフランコ独裁政権について知らないことにはこの映画を楽しむことはできない。
スペイン内戦とは1936年、マヌエル・アサーニャ率いる左派の人民戦線政府と、フランシスコ・フランコを中心とした右派の反乱軍とが争った戦争。スペイン共和国政府に対して、軍事反乱を起こしたフランコ将軍はナチスドイツと手を結び、共和国政府を支持する共和派やレジスタンス派に対して、徹底的な弾圧を加え続けた、スペイン国土を荒廃させ、共和国政府を打倒した反乱軍側の勝利で終結し、フランシスコ・フランコに率いられた独裁政治を樹立した。ナチスドイツがポーランドへ電撃侵攻を開始したのは1939年9月1日だが、その5年後の1944年6月には連合国軍がノルマンディー上陸作戦を開始したため、ナチスドイツの敗北はもはや明らかになっていた。ではその時、スペインの山の奥にこもってフランコ政権への抵抗を続けるゲリラ軍は?というバックグラウンド。
そういった血で血を洗う内戦のさなか、少女は自らの妄想により生み出した現実逃避によりむごい世界から目をそむけていたのだ。「だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した」というこの映画のキャッチコピーはそれを物語る。



「パンズラビリンス」とは直訳すればパーンの迷宮となる。パーンとはギリシャ神話における農耕神ルベルスクであり、ファウヌスである。映画ではヤギのビジュアルのパーンがどう見ても悪役のような姿で現れる。家畜や森を守る神であり、劇中でも森の迷宮に生息する。パーンの迷宮と名付けられるぐらいなのだからおそらくギリシャ神話にリンクした映画なのだろう。主人公の少女は月の女神であると告げられ、その世界に戻るために三つの試練をこなす。そして自らの命を絶つことにより黄泉の国に行き、神になることからオフェリアはギリシャ神話における女神アルテミスではなかろうか。アルテミスは古くは山野の女神で野獣と深い関わり合いを持つ神であった。アテナイにはアルテミスの為に黄色い衣を着て踊る儀式があったとされるが、少女オフェリアが最後月の女神になった際に着ていたドレスは黄色でありこれはおそらく偶然ではないだろう。





女神は、森の神として、兄弟神アポローンとともに「遠矢射る」の称号をもち、疫病と死をもたらす恐ろしい神の側面も持っていた。また産褥の女に苦痛を免れる死を恵む神でもある。少女オフェリアの母は弟を生んだ際死んでいる。これもおそらく偶然ではないだろう。そして神話の中ではオレステースがイーピゲネイアと共にもたらしたアルテミスの神像は人身御供を要求する神であったとされる。アルテミスに対する人身御供の痕跡はギリシアの各地に残されていた。少女オフェリアは最後自らを犠牲として捧げることにより生贄になり、アルテミスになったのだ。


映画では冒頭にオフェリアの死とまたラストで同じシーンが流れる。しかしオフェリアの死で幕を閉じるのではなく煌びやかな黄泉の世界が映し出され終わる。これは肉体は朽ち果てても魂はよりよい世界へ行ったという一種の観客への慰め的演出であり、メキシコ人的な生と死は一体であるという観念を表した重要なシーンだ。しかし舞台を戦時下に置く必要はなかったと思う。確かに、残酷な世界に逃げる隙を与える対照的な世界は対比しやすくまた死と隣り合わせであるということ、死は終わりであり始まりであること、これらを分かりやすくするには戦時下がいいのかもしれない。しかし戦争というイメージが強くありすぎ、また事実であるが故ここの価値観が邪魔して支離滅裂な構成になってしまったと考える。





ストーリーの構成はおいておいてクリーチャーのデザインには毎度頭が下がる。ヘルボーイの死神はたまらないデザインであったが、今回も一度見たら数十年は忘れない強烈なインパクトのあるクリーチャーが出てくる。
↑ヘルボーイの面々



中でもペイルマンというキャラクターは誰がいつ見てもキモいという感想を満場一致で叩きだすツワモノ。試練の中に登場するのだが、手のひらに目が付いておりサルエルパンツみたいな皮膚でちんたら追いかけてくる。文体だけみてるとただのバカにしか思えないが映像で見るとホントにキモいしえげつない。妖精を頭から食う。パンズを知らずにこのクリーチャーを知っている人間も少なくない。ある意味デルトロ色全開ですばらしいけど、夜中に出てきたらずいずいズっころばしで眼つぶしするしかない。