ウォルター・ミティー(ベン・ステイラー)はLIFE誌の写真管理部で働く真面目な社員。だが、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者でもあった。
彼の趣味は空想をすること。空想の中で彼はヒーローとなり、どんなことでもできた。
しかし現実のウォルターは、デジタル化の流れによりLIFE誌の廃刊が決まり、表紙を飾るはずのネガが見つからないままでいたたために窮地に立たされていた。
ウォルターはネガを探すため、写真家のショーン(ショーン・ペン)を探す旅に出る。
半年前から気になってたベンスティラー監督の作品(原題secret life of walter mitty)。1947年にもダニーケイ主演で同名の作品が作られているが、原作が同じというだけで内容は妄想癖の主人公という以外は大きく違っている。
ベンスティラーといえばナイトミュージアム。監督作品だと前作のトロピックサンダー。どっちも全然好きじゃない笑
しかし予告の自分を変えたいと思いますか?というフレーズと
今を生きるすべての人へ
いろんな世界を見に行こう
壁を超える勇気を持とう
いろんな人と出会い
もっともっと分かりあおう
きっとそれは本当の人生の生きる喜びだから
それとうまくつなぎ合わせた大自然の映像美に涙した私はベンスティラーに賭けてみた。
結果は◎。非常にシンプルで王道のストーリーライン、適度な悪とメロドラマ、挫折、逆境を乗り越え感動のラストと、ディズニー配給的なお上品でスッキリした仕上がり。それにアイスランド、グリーンランド、アフガニスタンの壮大な自然の映像美が相乗して、どの層でもどの国の人でも楽しめる客層を限らない映画。深みだとか考えさせる映画を望む人には薄っぺらい映画だと感じるかもしれないが、自分は十分に楽しめた。
まずカメラワークが秀逸。飛行機を真上から撮ってミニチュアみたいにしたり、固定カメラで遠めのショットだったり、いわば絵になるシーンが多い。LIFE誌だからなのか理由は分からないが、がっつり見るのではなく飲食店やカフェなんかで垂れ流してても良い雰囲気を醸し出せるような、ディスカバリーチャンネル的映像美。これに1800円払ったと言ってもいい。
ロングボードを少年にもらい、アイスランドの坂を疾走するシーンは非常に爽快で、観客の我々も風を全身に感じるような気分になる。
次に音楽。ホセゴンザレスを筆頭にOf monster and men、Rogue Valley、さらにはデヴィッドボウイのspace odittyのカヴァーなど、やさしくて旅に出たくなるようなメロウなチューンが盛りだくさん。どの曲もシーンにかなりマッチしていて、of monster~のDirty Pawsが流れただけで涙線が崩壊しそうになった(単純に好きなバンドだってのもあるけど)。しかし残念ながらCMでいつも流れるホセゴンザレスのstep outsideは劇中では流れず(インストは有)、エンドクレジットで流れる。あれがスケボのシーンで流れたら最高だったのだが....
個人的にはデヴィッドボウイのspace odittyを入れたのはかなり高評価。2001年宇宙の旅のMajor Tom(トム少佐)とウォルターをかけていてナイスなチョイスだと。
Ground Control to Major Tom
Ground Control to Major Tom
Take your protein pills and put your helmet on
「地上基地管制官より、トム少佐へ」
「地上基地管制官より、トム少佐へ」
「プロティンピルを飲み、ヘルメットを装着せよ」
Ground Control to Major Tom
Commencing countdown, engines on
Check ignition and may God’s love be with you
「地上基地管制官より、トム少佐へ」
「カウントダウンを開始し、エンジンを点火する」
「点火装置確認。神の御加護があらんことを」
This is Ground Control to Major Tom
You’ve really made the grade
And the papers want to know whose shirts you wear
Now it’s time to leave the capsule if you dare
「こちら地上基地、トム少佐へ」
「打ち上げは成功した」
「新聞は、少佐の着ているシャツのことまで知りたがるよ」
「さあ、勇気を出して船外に出るときがきた」
This is Major Tom to Ground Control
I’m stepping through the door
And I’m floating in a most peculiar way
And the stars look very different today
「こちらトム少佐、地上基地へ」
「今、ドアから船外に出た」
「そして、えも言われぬ感覚で浮遊している」
「星々は、地上で見るのとは全く違っている」
For here am I sitting in a tin can
Far above the world
Planet Earth is blue and there’s nothing I can do
私は今、宇宙船に腰掛けている
住み慣れた地上の遙か上空で
地球は青く、私はただただ見つめているのみ
https://www.youtube.com/watch?v=ZrZlhD0Oeto
旅行の醍醐味って人それぞれだとは思うが私はお金を出して何かを得るよりもその旅の出会いを大切にしたい。日本では見れないもの、出会えないもの、吸収して成長すること、そこまでを含めて旅行だと思う。帰るまでが遠足ってそういうことだったのだな
こんな感じで大手ブランドから出たチョコみたいな臭みも深みも捻りもない感じだけどどんな層にも愛されるような上質なものなので見て損は絶対ない。しかしショーンペンは渋いなあ!
旅行行きたい。
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