王様のブランチでリリコさんが涙ぐみ過ぎてコーナーが進まないのを見て気になり鑑賞。
劇中のルディの歌う力強い歌に涙する。
同性愛に対して差別と偏見が強く根付いていた1970年代のアメリカでの実話をもとに、育児放棄された子どもと家族のように暮らすゲイカップルの愛情を描き、トライベッカやシアトル、サンダンスほか、全米各地の映画祭で観客賞を多数受賞したドラマ。カリフォルニアで歌手になることを夢見ながら、ショウダンサーとして日銭を稼いでいるルディと、正義を信じ、世の中を変えようと弁護士になったポール、そして母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコは、家族のように寄り添って暮らしていた。しかし、ルディとポールはゲイであるということで好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう。
何が正しくて何が間違っているか
それを他人が判断するのはとても難しい。
差別や偏見は今も世界中にあり続ける。自分と違うことに不気味がり、遠ざけようと吸うのが人間の性だからだ。
アメリカはかつて差別の塊だった。黒人、ゲイ、障害者、ラテン系。白人の根底に存在する恐怖心と、白人至上主義のプライドがそれを許さないからだ。今でも内陸部は強い偏見と差別が残るが、十州ほどが同性婚を認めた。内陸ではキリスト教原理主義者が多いために恐らく認められることが難しい。
ゲイのストーリーとしてはカリフォルニアでゲイの権威を主張したショーンペンのミルクが有名だろう。しかし大抵はコメディである。
また障害者の子供をフューチャーした映画もなかなかない。
そんな世間からのはずれものの生きにくさを、ルディの力強い歌とともに世間へ主張する。
ストーリー自体は非常にシンプルだ。二人のゲイが出合い、恵まれない子供を預かり、社会がそれを認めず立ち向かう。しかしそこには大きな壁と物理的には破壊しえない偏見の嵐が無残にも人の命を奪うことになる。
自分と違ったっていいじゃないか。たとえ周りと違ったとしてもそれは恥ずべきではないし罪を感じる必要はない。むしろそれを力にしマイノリティであることに誇りを覚えるべきだ。
ゲイの人には独特の価値観やアート性があると思うし、障害者の人にもアウトサイダーアートが有名なように普通の人間にはない感覚が宿っている。そういったものを生み出すことは我々凡人にはできないし、差別に屈せず活躍していってほしいと思う。
法が絶対の正義とは限らない場合もある。むしろ、法は悪に加担する場合もある。そこに必要なのは愛であり、人の心が要となる。
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