2013年1月14日月曜日
【映画】パルプフィクション
この映画は名作だとか90年代の名映画とか言われるが、それはタランティーノのテイストを理解していてかつ、映画を吟味して人生の糧にするような映画評論家のような人間にはそれはまったくもって理解できないであろうし、この映画の120分は退屈なものであろう。
映画評論家のような、この映画何が面白いの?ひねりもないしストーリーもないし評価される意味がわからないというまっすぐな姿勢は評価する。しかしとりあえず肩の力を抜いてほしい。例えるならば我々は空腹を満たす時、ただ漠然と空腹を満たすのか、あるいは金を払って高級な料理を食べるのか、それに似ている。スタンドバイミーが好きな映画評論家達は、この映画は出汁も効いてないし味も濃いし、何がおいしいの?と言ってるようなものである。そしてパルプフィクションを例えるならばちょうど劇中に登場するチーズバーガーロイヤルの食品サンプルといったところか。添加物たっぷりで、何の教養もなく、ファストであり、カロリーたっぷりなチーズバーガーだ。それでいてフィクションである。パルプフィクションとは三文小説のことである。
映画産業が大儲け、ハリウッドには黒い影が立ち込める私が大好きな80年代ロサンゼルス、二人の雇われヒットマンは今日も仕事をこなす。手慣れた手つきで冗談を言い合いながらいつも通り聖書の一節を引用して標的を始末(take care)していた。
その次のカットでは二人はなぜかビーチバレーにいそしむ大学生みたいな恰好でボスの元を訪れる。
ここに至るまで二人には、いやロサンゼルスでは様々なタランティーノ的珍事件が多発していた。
ボスはというと自分の育てているボクサーを試合で勝たせるため敵ボクサーであるブッチに賄賂を渡し負け試合をするよう命ずるが裏切られた果てにブッチとともにカマ野郎に掘られプライドをズタズタにされてキレる。ブッチに対してはプライドを捨てろって言ったのに。
他にも、間違えて敵の子分の頭を吹っ飛ばしてタランティーノの家に助けを求めにいったり、朝飯をダイナーで食ってたら冒頭のゴロツキの強盗とはち合わせたりと全体的にしょうもない。
私は映画を面白いと感じさせる秘訣などないと信じている。別にストーリーが通ってたって面白いとは限らないし金がかかっててもそれだけリスクは生じる。絵画だって面白いと感じたものが面白い。デューラーだってボッティチェリだって面白いが、バンクシーだっていい。それらに共通点なんてないしあるとすれば平面ってことくらいだろう。映画に至っても1800円払って平面のスクリーンの上にフィルムから出た映像を眺めるうえでは同じだ。2001年宇宙の旅や荒野のガンマンも面白いがパルプフィクションは単純に面白いのだ。
一人ひとりのセリフや言い回し、訛りから性格まで徹底されている。表情も面白い。食事のシーンや場所のチョイスも考え抜かれてて素晴らしい。気の短い端的な考えしかできないセクシーテールの適当男、ヒットマンでありながらも哲学的でありまた神を信じ足を洗うことを考えているアフロアメリカン、不良上がりのプライドを捨てることなどさらさら考えていないプロボクサー。肩書きだけでも十分面白い。
Does he look like a bitch!?
このセリフは映画を見る前から知っていた。ブラックメタルのSEかなんかで使われていたしよそでもよく聞くので、初めて映画で聞いたときは相当しびれた。ぜひ使いたいね。
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