愛、暴力、笑いを一番間違えた方向で戦争映画というテーブルの上でめちゃくちゃにこねくり回して、最後にツバを吐いて笑い飛ばす。そんな映画。
タランティーノがいかにガキで好奇心旺盛で映画好きかがわかる。
舞台は人類史上最悪のシナリオ第二次大戦中。ナチスドイツがその強大な力を思う存分振りまいていた時代、もちろんそれを良く思っていない国は多くあった。
ただこれをナチスドイツに対する復讐劇と言ってしまうとこの映画の説明にはならない。
この映画の魂胆はよくあるナチスドイツに対する批判ではなく、殺しあいをする当時の人間達を、まるで喜劇かのように面白おかしく映した。
昔こんな奴らがいてな?こんなバカなことやってたんだぜ?ぐらいのノリである。
どちらのサイドに対しても批判を込めている。食い方がきたなかったり、喋り方が腹立たしかったり、怒ったり笑ったり忙しい人物像を見事に描いている。また当時の人間がすぐに敵にアダ名をつけたりする部分も笑いに変えている。もはや何のための戦争なのか。お前ら殺しあいがしたいだけだろ?
まるでソファに座りながらテレビに映る惨劇を笑い飛ばすようなノリ。タランティーノは偉大。
頭の皮を剥がしたり額に卍マークを切り込んだりグロいというより痛いシーンがあるがここまでくるともはや痛快。
あと音楽のチョイスがいいね。
7.5/10
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