戦争は良くない。反戦。平和。秩序維持。
それまでの戦争映画といえばそんなメッセージを生地に練りこんだものや、大胆にも上からちりばめたようなものばかりだった。
では、キューブリックが戦争映画を作るとどうなるか?
キチガイが沢山の白装束が戦う話になるか?あるいは敵は出てこなくて、しまいには気がおかしくなる話か?
ところがどっこい
キチガイが沢山の白装束が戦う話になるか?あるいは敵は出てこなくて、しまいには気がおかしくなる話か?
ところがどっこい
キューブリックは戦争をなんにも色付けせずあるがままに伝えた。宗教的背景も時代背景も存在しない。ここには鉄の塊と、肉の塊と、無慈悲な若者たちの活気のみである。
たんたんと戦争を語っている。汚い言葉を連呼する鬼教官と、それに機械的に従い殺人マシーンへと変わっていく普通のアメリカの若者と、それに適合出来ず自殺するマイノリティ。戦争にはヒーローも感動のストーリーも奇跡的な救出劇もない。映画とは本来戦争を美化し、もしくは批判し、何らかのメッセージを込めて体現するものであった。そうでなければディスカバリーチャンネルが特集組めばいいわけだから。しかしこの映画にはとあるどっかの星で、こんなバカどもが糞真面目に人を殺しあう世紀末黙示録があったとしたら面白くねぇ?ぐらいのノリで、ただ眈々と若者が殺しあう映画を生み出してしまった。それがもっとも残酷であり、そしてもっとも残酷なのは現実である。キューブリックなりの戦争映画。
9/10点中
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