2013年4月21日日曜日

【映画】デスプルーフinグラインドハウス

クエンティンタランティーノ監督のカーアクションスリラー。
グラインドハウスとはエクスプロイテーション映画(文字通り客から搾取するために考えられたB級映画で、黒人向けに作られたブラックスプロイテーションやエロスを題材にしたセクスプロイテーションなどがある)B級ホラー、カンフーアクションなどセンセーショナルな映画を二本立てで上映していた映画館を指す。今ではあまり見かけなくなったがかつて栄えていた繁華街にたまにある。アメリカではドライブインシアターなどが主流。余談だが私が通っていた高校(黄金町)の周りにもポルノを中心としたものや、聞いたこともないような映画が二本立てで放映されていた映画館があった。
本作はロバートロドリゲス監督のプラネットテラーと二本立てで、映画オタクのタランティーノが当時の雰囲気を出すためにわざと偽のCMをはさんだり上映中スリキズや画像ノイズ出したりして(B級なのでフィルムが大量生産されず映画館同士で同じものを使いまわしスリキズがだんだん増えていった)当時の雰囲気を醸す遊び心あふれる作品となっている。


あらすじ
テキサスの地元ラジオ局の人気DJジャングル・ジュリアは、長年の親友シャナの運転する車で、久しぶりに街にやって来た友人アーリーンと共に出かけた。しかし、怪しい車に乗った男がジュリアたちの前に何度もあらわれることにアーリーンは気付く。彼は、女の子たちが向かったバー「テキサス・チリ・パーラー」にも現れ、スタントマン・マイクと名乗り、ジュリアがラジオで放送したことについて、アーリーンに話しかけてくるのだった。怪しみながらも、個性的なマイクとのやり取りを楽しんでから、アーリーンとジュリアたちはバーを出て、ラナの運転の車に乗り帰路に着く。マイクも、パムと約束したために彼女を送ろうとしていた。マイクは自分の車を、カースタントのための耐死仕様デス・プルーフ)だとパムに話す。そして発車させたとたん、マイクはおぞましい本性を現し、女の子たちは、みんな悲惨な目に遭うことになった。
オースティンから14ヶ月後のレバノンにマイクはあらわれる。映画業界で働くキム、アバナシー、リーの3人はニュージーランドから来た仲間のゾーイを空港に迎えに行ってから、4人で仕事の合間の休みを過ごそうとしていた。そしてスタントウーマンであるゾーイの希望で、レバノンで売りに出ているという或る中古車を見に農家に行くことになる。それはゾーイの憧れの車で、440エンジン搭載の白の1970年型ダッジ・チャレンジャーだった。オーナーから許可を得たゾーイは、キムとアバナシーを伴って試乗するが、マイクがマッスル・カーで絡んでくる。何とか危機を脱した3人に、マイクは機嫌良く別れを告げるが、ゾーイたちは、やられっぱなしになるような甘い女ではなかった。
(引用元:ウィキペディア)



今作でもタラ特有の車内での意味のない話を延々と続けるシーンが多くあり、マニアにはたまらない物となっている。ガールズトークということで男に対する内容のない女子の会話がうまく描けている。(パルプフィクションでは男同士であるために女の話だったり食い物の話が多かった。)
意味のない話なのだがなぜかしっかり聞いてしまうし毎度話の内容を覚えてしまうのでタラマジックに気づかないうちにかかってるのかもしれない。しかし現実に我々が話してることは外部の人間にはどうでもいいことなのだしそれを映画でやってのけるんだからある意味タランティーノは恐れ知らずなのかもしれない死それが何よりも魅力なのだ。
グロ描写も相変わらずで、男たちの眼差しの先にあったDJの生足はデスプルーフに引きちぎられて地面にバウンドするし、お高くとまってるバラフライの顔面はカスタムされたタイヤに嫌というほどぐちゃぐちゃにされる。しかも衝突のシーンはご丁寧に四回もリプレイされ、ギャルたちの死にざまはしっかりと確認できる(欲していない)。

特殊性癖が描かれる映画は今までにもいくつかあったが、自分の装甲車でギャルを引き殺すことに快感を覚えるタイプはおそらく初めてだろう。どこがたまらないのか全く分からないが事故って自分も大怪我しているのに14カ月後懲りずにまたやろうとするんだから性の力は偉大である。少し前に全裸で皇居の堀を超えて石塀を登っていた外人がいたがあれもちょうどそんなところか。

しかしタランティーノは最後にちゃんとスッキリさせてくれるから安心して観れる。多分本人は自分の映画大好きなんだろうな。拳を上げてやっちゃえやっちゃえ言ってるのが目に浮かぶ。自分の映画なのに。本作もやられっぱなしじゃなく最後に強い女子がスタントマンマイクをぼこぼこにする。ちょっとこれが意味するものが何だったのかわからなかったが清々したのは確かだ。
ただ一つ残念なのは、ダイハードで娘役でも出演しているメアリー・エリザベス・ウィンステッドがなぜか全然出てこないし最後は一緒に車に乗ってすらいないしあのあとどうなったかも描かれていないので許しがたい。
 

 めっちゃかわいいのに。

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