2013年8月22日木曜日

【映画】ワールドウォーZ


ジョージロメロがナイトオブザリビングデッドを製作し世に出した時、世界はまだゾンビというもののパワーに気づかないでいた。その後ドーンオブザデッドが爆発的なヒットを記録し、世界は一瞬にしてその魅力に感染。日本でも邦題ゾンビとして流行。今から30年ほど前の話だ。その甲斐あってかゾンビのイメージはいい意味でも悪い意味でも定着した。グロテスクで動きがとろいが、数の暴力で襲いかかる恐ろしいクリーチャーだと。イメージが定着したことで一般的な思考を持っている人間ならばゾンビと聞いた瞬間見るのを避け、見もせずにB級と決めつけるようになった。だからだろうか。今作ワールドウォーZのPRにおいてゾンビという言葉は一度も聞かない。CMでもよくわからない何かが襲いかかってくるだけでゾンビなのかどうかはわからない。なんも知らない人からしたらブラピの新作はジャッキーコーガンが世界を救うのカナ?くらいにしか分からないほど情報量が少ない。そのためレビューはふたを開けたらこれゾンビ映画ジャン!!カネカエセ!で湧きあがった。実際劇場にもホントに内容を分かって見に来てるのかわからないおばあちゃんとか、ドラゴンボールZの延長かな?みたいな大学生、ブラピ主演なら間違いないでしょみたいなギャルに、なんだかすごそうだからくらいのJKが多々見られた。
確かにブラピ主演で金もかかっててなんだかすごそうな映画を見た感は否めない。実際すごかったし。


内容。
ベストセラーを記録した、マックス・ブルックスの小説を実写化したパニック大作。人間を凶暴化させる未知のウイルスの感染原因を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる世界各地を駆ける元国連捜査官の姿を、息詰まるタッチで活写する。
元国連捜査官のジェリー(ブラッド・ピット)は家族とパンケーキを焼いて連想ゲームをするだけの平和な毎日を送っていた。世界のどこかではウイルスによる何かで戒厳令が出ているとニュースで知るが他人事で毎日を過ごしていた。
ある日渋滞にはまっていると前方から爆発音が。そして間髪いれずにゴミ清掃カーが渋滞をまき散らし人が人を食う光景を目の当たりにする。町中がパニックになるなかなんとか逃げ延び空母に搬送される。そこで人間を凶暴化させる未知のウイルスが猛スピードかつ世界的規模で感染拡大しているのを知る。そんな中、元国連職員の技能と知識を買われたジェリーは、各国を回ってウイルスの感染原因を突き止めるよう依頼される。
感染源を突き止めるべく最初に行ったのが韓国。ゾンビという電報を最後に連絡が途絶えていたため調査に行くが希望の星と言われていたハーバード大卒の青年がスリップしてナチュラルに自殺。大バカ者である。しかたなくブラピのみで捜索するがそこでイスラエルに情報源がいると聞く。
 
イスラエルでは早くからゾンビの襲来を察知しており高い堤防を築いていた。しかしちょっとした油断で堤防を越えられてしまう。
ここが最も見どころのアリの大群がごとくゾンビが群れて壁を登るゾンビだ。

これを見るために1800円払ったと言ってもいいくらいこの映画の見どころ。イスラエルの巨大な壁を運動会がごとく這いあがり連携プレーで町を陥落させていく。まるでバベル。ジョージロメロがドーンで体現させたかった大量生産&大量消費主義ゾンビがまさにこれだろう。砂埃を上げて狂ったように組み体操しながら壁を超える姿はこれまでになかった。
その後イスラエルから旅客機で逃げるのだが、まさかの機内にゾンビが隠れてたおかげでパニックに。乗客が次々に感染していき諦めかけた時、ブラピが機内でグレネードを投げたおかげで外へ吸い込まれてくゾンビと乗客。もうこの時点でむちゃくちゃだがブラピはシートベルトをしていたので墜落したものの助かる。御巣鷹山では160人がぐちゃぐちゃになったというのに!ブラピが実はゾンビなんじゃねえのか?
イスラエルでゾンビのワクチンを思いついたブラピは怪我を負いながらもなんとかWHOに駆け込み対処法を提案する。それはゾンビウイルスが入る以前に別の強力なウイルスが体にあればそれが抗体の役割を担うというもの。おたふく風邪だからインフルになりませ~んみたいなものか。しかし強力なウイルスはゾンビがわんさかいる別棟にある...どうするブラピ!世界は救えるのか!?家族に再び会うことはできるのか?!ゾンビに人類は屈することとなるのか....つづく


ちなみにホントに続編あるらしい。危険な匂いしかしないが。タイトルはworld war2Zで。歴史ドキュメンタリーみたいだね。神風ゾンビとか出てこないことを祈る。
序盤から中盤までテンポがかなりいい。あっという間に世界中に感染してパニックになってく様子がリアルに描かれており、実際今の世界で起きたらホントにこんな感じだろう。発症源が台湾の病気だったり温暖化によるものであったり定かになっていない部分も非常にいい。昨年あったアメリカの黒人がホームレスの顔を食った事件もちゃんと使われていた。ゾンビ映画では定番の自分で工作して武器を作ったり防具を作る描写もありLast of usを連想。走りまくるゾンビも『28日後...』風だしゾンビ映画はある意味で行くとこまで行ったのかもしれない。

あとはCGのクオリティがすばらしい。ここで製作の段階のムービーが観れるがここもCGなのかよ!ってくらい細部まで作りこまれていて技術の進歩を感じ取れる。http://youtu.be/NTr0k6-8_Fw
私はCGの技術に関しては全く分からないしPS3で遊び倒してるくらいで作り方は分からないが相当大変らしい。人物のスキンからモーション質感などむちゃくちゃ細かいうえにバグがあるととんでもないことになるという悪夢。

総合的に見て自分はすごい楽しめた。ゾンビ映画に必要な要素をちょっとづつかじりながらもレートを下げて多くの人に見てもらおうという監督の意図も見れたし。バイオハザードなんかが好きな人からちょっと怖めのアクション(ブレイドとかアンダーワールド)好きな人はガンガンお勧めする。刺激がほしい人にはたまらないはず。ただゾンビ映画に必ずある現代社会への批判みたいなものは一切感じ取れなかった。ただわけがわからないパニックに巻き込まれながらも運よく状況を切り抜け結果僕らは戦い続けますみたいな。実際ストーリーはシンプル。頭すっからかんで見れる。ただ突っ込みどころは多々あるからそこはスルーで。

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