2013年1月16日水曜日

【映画】シドアンドナンシー



セックスピストルズのマスコット的キャラクターでもあり後のパンクスに絶大な影響を与えたシドビシャスの壮絶な人生と最愛のナンシーとの特殊な恋物語を描いた1986年公開のイギリス映画。
シドビシャスといえば過激なライブ演奏とファッションアイコンとして名高いがゲイリーオールドマンが見事に演じている。その名演からかシドビシャスを美化しすぎだという意見も多く出ている。しかしゲイリーの演技は見事なものであったしこの作品を通じてドラキュラや、レオンでの悪徳公務員など、エキセントリックな役をやるならば彼の右に出る者はいないというまでにのし上がった大きなきっかけとなる作品であったし、美化しすぎていることはないと考える。
シドアンドナンシーにおいて最も感動したのが我らが日本の巨匠黒澤明監督による三船敏郎主演の蜘蛛巣城における撮影技法が使われていたことだ。蜘蛛巣城では三船演じる将軍が謀反により弓矢の雨を浴びるシーンがそれであるが、そこでは実際には距離があるのに縦に撮ることによって至近距離に弓矢が当たっているように見える。今作でも二人が愛し合うすぐ横にゴミや物が大量に落ちてくるというシーンで使われていた。ここではおそらく社会からは完全に離脱し二人だけでやりぬくという意味が込められているのだろう。実際二人はドラッグにおぼれナンシーは悲しい結末になるのだが...
また別のシーンではスローモーションとともにシンセサイザーをSEに使うなど80年代らしい撮り方も。
しかしこの映画で最も批判すべきなのはナンシーの配役ミスにある。金切り声で喚きなぜかスローモーションみたいなちんたらした話し方で見る者の神経をとがらせる。監督の悪意でああなったのか、高校時代いじめっ子の名前がナンシーだったからなのかはわからないが再び見る気を失せさせる容貌(完全に北斗昌)と不協和音により質を下げている。
しかし世間ではこの映画によって再びパンクブームが到来するなどロンドンパンクの商業的な担い手ともなっているので悪くは言えない。ただ個人的にクロエなんとかはブラックベリー賞ものだった。

バウンティハンター(ブランド)でも商品化されていた蛇のうろこみたいなスタッズベルトやクールな革ジャンがたくさん出ていたので購入意欲がわきました。

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