2013年11月10日日曜日

【映画】セブンサイコパス







おそらく多くの人間がこの映画のタイトルとパッケージを見て、ああ七人のキチガイがハチャメチャなことして結果収拾つかなくなる映画なんだろうなーと思いながら後回しにしてまどかマギカを観ることだろう。前半部分は合っている。頭がはじけ飛んだり脳汁が吹き出るスプラッターが満載でゾンビランドを彷彿させるテンションだ。しかし後半部分は大間違い。なぜならラストは涙腺崩壊モノの感動で尚且つスッキリした終わり方だからだ。


今作の監督であるマーティンマクドナー監督が北野武大好きってことで、冒頭のシーンに「その男、凶暴につき」が使われていたり、”ヤクザ”というセリフや”スシ”も出てくる。映画の脚本作りの映画だが、北野武の監督ばんざいをベースにしているらしく、そのオマージュを垣間見る事ができる。


フォーンブースぶりに見たコリンファレルは相変わらずAKBまゆゆも困る困り眉で、ムキムキキャラではなく、やめてよぉ~みたいなナヨナヨ飲んだくれ脚本家。さすが大物
 


いう感じの演技。
それが最後にはサイコパスに揉まれ続けて性格が激変する。一方でクリストファーウォーケンはこの映画にうってつけなサイコパス具合で、
妻を殺したマフィアに自分の首の傷を見せつけるシーンなんかは正気ではない恐ろしさ。
墓場での銃撃戦シナリオの時にスリーピーホロウオマージュな登場が笑えた。
七人のサイコパスを順々に紹介していき、まさかの重複とかに笑わせられながらストーリーが進行して行く。基本的にはカリフォルニアの排気ガスまみれの都市部とデザートエリアがメイン。しょっぱなから脳天ブチ破りヘッドショットに始まり、途中頭がパーンなシーンもあり、首切り血がどばどばもあり、この映画どうやって結末にたどり着くんだ?なんて心配しながら見て行くが、大どんでん返しがあるわけじゃないのに最後はスッキリ終わる。てかすんげえ泣ける。
クリストファーウォーケンがあそこであんな形で死ぬのはちょっと満足いかないが、妻が見た世界を見れたというのは彼にとっての望む道だったからよしとしよう。
ヒッピーを征伐するシーンが今までにないカットで非常に良い。両手はナイフで机に固定されて椅子に座ったままガソリンをかけられて燃やされる。んで周りには純白無垢なウサギがぴょんぴょん跳ね回ると。あのシーンが一番とびきりサイコパスだ。
あとはウォーケンが荒野をスーツ姿で歩く姿。古い時代の映画を見ているような、そして自身の望んだジーザスと同じようなカット。実に素晴らしい。

おそらく主人公が脚本家ということもあり途中から事実ではなく映画にシフトしているのだろう。その分岐点は明確には示されていなかった、あるいは事実と映画はごちゃまぜで観客にその判断は委ねるスタイルは定かではないが、犬を取り返すシーンはおそらく現実ではなく、ヲーケンもおそらく死んでない。

全体的に笑いがじんわりとあるし、ブラックユーモアと皮肉好きには最高、おまけにお涙までセットでついてくる超お得なバリューセットセブンサイコパス、控えめにいって必見。




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