2013年12月13日金曜日

【映画】マチェーテ

 




アメリカが肥満と対中東問題以外に抱える大きなイシューの一つが不法移民問題。多くの移民が低賃金で働くためメキシコから流入するためアメリカ人の雇用体制は崩壊する。しかし同時にアメリカの多くの企業はWASP以外の労働者によって地盤を支えられていると言っても過言ではない。事実、白人はお高くつくのだ。
そんなアメリカの時事ネタを混ぜ込みくだらないの一言で終わらすのもよし、血糊とラテックス満載で最高!と甲高い声を出すのもよし、なエクスプロージョンムービーがマチェーテだ。プラネットテラーとデスプルーフの二本立てで放映されたグラインドハウス(グラインドハウスについてはデスプルーフ参照)の偽CMとして流れたのがこのマチェーテであり、本編の二本よりも評価が高いんだからびっくりである。また2014年公開の続編マチェーテキルズには歌手レディガガが出演するなどかなり注目度の高い作品になってくるだろう。
じゃあ今作マチェーテはどんな内容なのかと言えばマジでしょうもない話。一応ストーリーとしては
メキシコの連邦捜査官のマチェーテは、マチェーテを愛用して犯罪者を狩る凄腕の男だった。だが、その強い正義感ゆえに麻薬王トーレスと衝突し、妻娘を惨殺される。
それから3年後、マチェーテはアメリカテキサスで不法移民の日雇い労働者をしていた。ある日、マチェーテはブースという男から不法移民嫌いで知られるマクラフリン議員の暗殺を依頼される。
みたいな本筋があるが、主演のダニートレホが銃ぶっ放して美女を抱き、メキシコ人の星だ!みたいなノリがあるだけ。そこを楽しめるかどうかで分かれてる。無駄に出演陣が豪華というのはおそらくこの映画に対して言うのだろう。ジェシカアルバに始まり、ロバートデニーロ(よくこの映画出たなってくらい雑な扱い)、天下のセガールにリンジーローハン(乳要員)、タンクトップと銃が似合いすぎるミシェルロドリゲスと出演陣だけでエクスプロージョンフィルム感皆無である。
 
 一番びっくりしたのはロメロ作品でゾンビのメイクアップを施していたトムサヴィーニが殺し屋として出演していたこと。イタリア系だからか分からないが出たがりなのか。

キャストの死にざまやキャラクターはどれも濃すぎるくらいで観終わった後胸やけに似た症状を引き起こすので、一緒にアイスエイジとかを借りることをお勧めする。



グロ描写は多いがへぼへぼなので見ていて何も感じない。おまけに全く感情移入しないので、終始あー死んじゃったー(棒)くらいのテンションである。おそらく感情移入する前にみんな撃ち殺されるからか。

評価すべき点としてはメキシコ人がどんな暮らしをしているか、どんな不当な扱いを受けているかということが良く分かる資料的作品であること、またそれを利用した権力者が多くアメリカにいるということが良く分かる。キリスト教原理主義者だったり、ブッシュのオマージュであろう議員であったり、ナショナルライフルアソシエーションみたいな自警団だったり、もはや黒人差別映画なんかの時代は終わり、ラテンの革命映画がヒットする時代が到来しつつある。それくらいにアメリカは多くのメキシコ系をテキサスから流入しているということだ。

事実白人の人口を40年後にはヒスパニックが上回るという研究結果も出ているしWASPとしては今すぐにでもマチェーテを持って追い出したいだろうな。まあ腹の肉がつかえて動けないだろうが。

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