2013年3月11日月曜日

【映画】ヴィドック




1830年7月24日、パリ。街には国民的英雄ヴィドックの死を伝える新聞の見出しがあふれていた。もとは華麗な大泥棒だったヴィドック。しかし、脱獄を繰り返しているうち、その腕を買われて警察の密偵を仰せつかり、後に世界初の私立探偵事務所を設立したパリっ子憧れのヒーロー。悲しみに暮れるヴィドックの相棒ニミエの前に現れたエチエンヌと名乗る男。彼はヴィドックから伝記執筆の依頼を受けた作家で、一緒にヴィドック謎の死の真相を突き止めようと持ちかける。さっそく二人はヴィドックが最後に調べていた事件を洗い直すのだったが……。


レミゼラブルとはちがうフランス革命時の殺人事件のお話。
権力者たちが雷による怪死で三人もなくなるという事件と名探偵ヴィドックの死の真相を探るのがテーマとなっておりラストはなかなか読めない完成されたストーリーだった。

この作品で最も称賛すべきは映像美。フィルムを使わずデルタルカメラを使用したということで独特の平面的な画面が味わえる。まるで絵画の連続のようなカットである。多分デジカメだから奥行きがない。
斬新だが、あまりいいとは言えない。それはリンチのインランドエンパイアでも明らかだ。
アップが多いのもデジカメのせいなのか目が疲れる場面が多くあった。
カメラワークも独特で、フランス映画だからというわけではなくヴィドックそのものが独特だ。
曲線的なデザインがゴシックの絵画のようでもあり、バロックのような鮮やかなデザインなど視覚に訴える映画だ。一方でヒョウ柄の馬車とか緑のコートとか現代的な要素もある。
特にレミゼラブルも出てくる風俗街のデザインが素晴らしい。機会じかけの館がブリューゲルのお下劣版みたいでお下品だけどデザイナブルでとてもよい。

類似する作品がない個性的な作品だが一見の価値あり。

アメリカのジョーク画像でヴィドックは撮ってからインスタグラムで加工したみたいなのがあったけどまさにそんなかんじ。

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