WHO ARE YOU?
機械工のトレバーは365日にわたって不眠に苦しんでいた。目を閉じてもなぜかすぐに起きてしまう。体はやせ細り他人にはこのままだと死ぬと言われる始末。食欲もなく睡眠もできぬ彼は行きつけの娼婦に一時的な快楽を求めることで生きながらえていた。人間関係も歪み始める中、彼の周囲に奇妙な出来事が頻発する。謎の人物アイバン、原因不明の事故、そして留守中に自室内に張られているメモ、冷蔵庫から流れる大量の血。誰かが自分を陥れようとしている。身の危険を感じた彼は真相究明に走るが、その先には思いもかけない真実が潜んでいた。
ゴッサムシティを夜な夜なコウモリのコスプレで飛び回り、ピエロから住人を救ったり核爆弾から町を救ってる男が実はこんなガリガリの煮干し男だったら、多分あれはコメディ映画だったろう。残念なことにこちらはあのヒーロー映画とは別だがクリスチャンベールの俳優魂や恐ろしいものよ。この映画のために4ヶ月間毎日りんご1個とツナ缶1個で30kgも減量したらしい。これは今すぐ全アメリカ人およびデルトロにやらせるべき。そのうちマシニスデッドとか言って餓死する人が続出したりして。
本題。ストーリーは冒頭にクライマックスを持ってくる今では割とありがちなフラッシュフォワード。正直、幻覚だろうが妄想だろうがマルホランドドライブを見てしまえばどんな映画も構造が単純に見えてしまう。よって序盤でベールが何かしらした犯人だということは把握。
メメントに近い物があると思うのだが、罪の意識から目をそむけていたが最後すべてを理解しGo to JEILという流れ。汚らしく歯をぎらつかせ派手なブーツと赤いスポーツカーを乗り回す幻覚は自分の直視したくない現実の姿であり、マリアとニコラスという超神聖なネーミングの親子は理想であり、読んでるドストエフスキーの白痴は自分への戒めおよび愚かさを表すもの、ふと見る時計はいつも1:30であり、ルート666アトラクションはあの日の回想....パズルのピースを集めながらもベールは何者かにハメられていると勘違いし周りの人間を疑い、すべてを拒絶し、やがて自分を受け入れる。WHO ARE YOU?最初のこの言葉はまぎれもなく自分に向けたものであり、事故以来潜在的に感じてきたこと。
今までいつも二手に分かれた道は左を選んできた。それはあらゆる時も逃げであったり、地獄であったり、現実を受け入れない自分の選択であった。しかし最後に自首するシーンでは右を選び、シーンは今までと違いコントラストの薄い白っぽいシーンが増え、やっと眠りにつくことができる。
ひき逃げという一つの事件を境に華やかな人生を罪の意識(無意識下の意識)によってここまで堕落したものにしてしまうという恐ろしさをうまく描いている。
ルート666のアトラクションは個人的に再現してほしいレベルのクオリティでした。ネズミの王国でやってくんないかなルート666。
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